播州織ストールは、兵庫県(旧飾磨県)西脇市を中心とした地域で生産される綿織物です。
先染めなので色落ちしにくく、豊かな色合いや風合いが人気のヒミツで、
faboriでシャツやハンカチ、テーブルクロスなど様々な製品を販売されています。
本ページでは、ブランドの特徴や播州織の歴史と先染の生産工程についてご紹介します。
播州織(ばんしゅうおり)という言葉を初めて聞いた方。ストールの色合いや染め方の美しさに
少しでも興味をお持ちの方の参考にして頂ければと思います。
【目次】
1.ブランド紹介
私は以前、日本の綿織物について調べていた所、
日本の先染め綿織物の播州織は世界でも評価の高い織物と知りました。
そこでいくつかの機屋さんにお話を伺いながら、今回は縁あって
株式会社織馬鹿(oribaka)の高瀬さんの織物と出会うことができました。
播州織の特徴は綿の先染め織物なのですが、中でも織馬鹿さんのジャカード織は
細い糸を単糸使いしたジャカード織の為、ふんわりと軽くて柔らかく、
ジャカードのもつ凹凸感がとても素敵なのです!
織柄は現代風にアレンジされていて、洋服に合わせやすく使いやすい。
伝統的な織物の技術を大切にしながらも、’今っぽさ’があり
そして、使えば使うほど軽さと馴染みのでてくる播州織。
色と風合いにこだわったストールは、老若男女問わず一年通して快適に使える
日々の生活に’ちょうど’のストールです。
1-1.ブランドの歴史と成り立ち
播州とは現在の兵庫県西脇市、北播磨のあたりを指します。
播州地方は綿先染め織物が産地で古くから続く伝統的な織物です。
播州織の歴史は200年以上になり、熟練の職人たちによって守り続けられてきました。
播州織は1700年代初め頃、温暖な気候を活かして綿花の栽培がはじまり、
この綿花は地元の人の衣類を作るためのものとしてはじまりました。
産業としては、当時の播州の宮大工・飛田安兵衛によって、
京都の西陣織から織物製作の技術にヒントを得たのがはじまりです。
当時の播州では、腰を降ろして操作する平機で生産性が悪いものでしたが、
それに対し京都の西陣では腰掛が高く楽な姿勢で織ることのできる高機が使われていました。
そこで安兵衛は高機に着目し、京都滞在中に織機の構造を研究して播州に帰郷し
農家の副業がはじまりました。
兵庫県西脇市一帯は、緑濃い山並み県下最大長河川、加古川。その良質で豊富な水資源こそが
染色に適し、先染めをして織る播州織にとって、不可欠となる最高の立地条件でした。
江戸時代末期には工場制手工業になり、産地として発展。明治の初めには西脇・多可地方の機業家は
約70戸に達し、藍染を中心とした植物染料を用いた織物の生産が中心に行われていたそうです。
それから産業が幅広く進み、大正12(1923)年9月、
関東大震災で貿易港が横浜から神戸にシフトされたことによって
播州織の輸出転換への転機となり、世界の綿織物産地として
多くの人々に知られる様になりました。
1-2.商品の特徴と種類
播州織の特徴は綿の先染め織物です。先染めにすることによって深みのある、きれいな色に染まります。
また使い込みことにより、味わい深いやわらかな風合いにもなります。そして丈夫です。
伝統的な織物の技術を大切にしながらも、’今っぽさ’のある、そして、使えば使うほど
軽さと馴染みのでてくるのが播州織なのです。
2.生産工程について
播州織の生産工程は、商品企画から染、織、仕上げ加工までを産地内で一貫して行っています。綿の先染め織物が多く、生産形態は分業構造になっています。
2-1.糸の染色
播州織の糸は’先染め’が基本。日本の先染め綿織物の80%が播州でつくられています。
先染めとは、糸の段階で染めることを先染めといいます。
糸の一本一本をそれぞれの色に染めていきますので、繊維の芯まで美しく染まります。また、細かな色柄の織物を作ることが可能になります。
染色工場では、仕入れられた糸を大きな釜に入れます。染料を高温で熱して糸一本一本の芯まで染め上げます。
播州地方は、加古川からの自然豊かな土地で水もキレイです。先染め織物に大切な染色にも適した軟水の水が流れており、多彩な色の表現を可能にしています。
芯まで染まることによって、使い込みほどに独特の優しさと風合いがあり、深みのある色になります。
2-2.糸の整形
織りたい柄をイメージして、
経糸の整糸・糊付けをおこないます。
糊付けとは、織るときに糸を切れにくくするために経糸に糊を付ける工程のことです。
糊は最終の加工の時に落とされます。
2-3.糸を織る
経糸と緯糸で様々な柄を表現することができ、先染め織物ならではの凹凸感も表現することができます。
先染め織物には「紋組織」というものがあり、糸を上下どちらにするかで柄ができます。
工場によって導入している機械が異なり、
その機械によってできるものも違いますが、
織馬鹿では、ジャガード織機というものを導入しており、複雑な柄も表現する事ができます。
2-4.商品の加工
織り上がった生地は加工場へ運びます。
播州にはたくさんの加工方法の技術があり、その中から最適な加工方法を加工場の方と打ち合わせして選びます。
織馬鹿のストールは、サイドもフリンジ仕立てになっており、首に巻いた時に柔らかな巻き心地と表情になります。
3.[Q&A]よくある質問
Q:オフィスやカジュアルの着こなしがよくわからないのですが・・・
A:播州織ストールは、ビジネススーツやドレスとの相性も良いいので、上品な印象を与えます。
ストールを肩に掛けるだけでシンプルな装いに華やかさをプラスすることができます。
結び方や巻き方を工夫してもいいかもしれませんね。例えば、ストールを腰に巻いてベルト代わりにすると、
ウエストラインを引き締める効果もあります。
Q: 播州織ストールのお手入れ方法を教えてください。
A: まず、ストールの洗濯はできるだけ手洗いがおすすめです。洗濯機を使用する際は、弱い洗濯モードで優しく洗ってください。漂白剤や強い洗剤の使用は避け、中性の洗剤を使用しましょう。
Q: お洗濯した後は、そのまま干したほうがいいですか?
A: いいえ。陰干しをおすすめします。できるだけ直射日光を避けて風通しの良い場所で乾かすことが大切です。室内干しでも結構です。
Q: 季節が過ぎた場合のストールの保管は、どのようなことを気をつければいいですか?
A: シーズンオフには、クリーニング屋さんに出した後に保管するのが最善です。また、使用したときにできたシワがどうしても気になる場合は、アイロンを使用しましょう。アイロンを使用する時は、低温で蒸気をかけながらおこなってください。
4.まとめ
いかがでしたか? 播州織ストールの歴史と生産工程についてご紹介させていただきました。
播州織ストールは、伝統的な技術と素材の美しさが融合した上品で魅力的なアイテムです。
カジュアルなコーディネートからオフィスやフォーマルな場まで、幅広いシーンで活躍することができます。
本ページのQ&Aでご紹介したお手入れを行いながら、長くご愛用していただきたいです。
この記事で少しでも播州織ストールに興味を持っていただければ幸いです。
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